【大学生】卒業論文を始める前に読んでほしい研究の進め方
こんちゃ。しもてぃです。
僕はいま、理系のB4で工業系の学科に属しており卒業研究に取り組んでいます。
最初は研究の進め方がわからずに悪戦苦闘したので、この先卒業研究していくであろう学生に向けて研究の進め方についての記事を書いてみました。
参考にしてもらえたら幸いです。
基本的な研究の手順としては以下になります。
- テーマを決める
- 論文を読む
- 研究の関連知識の勉強
- 試験、実験、設計、製作
- 論文執筆
- 発表
ほとんどの学生がこの手順を踏みます。研究関連の知識はB1-B3の知識がもととなります。正直なところ、3回生までの授業は何のためにやっているかわからないという人も少なくはないです。
4回生で研究を始めた瞬間、今までやってきた専門知識がつながっていきます。
3回生までの授業が面白くない理由としては、この知識がどのように利用されるかを明確に説明されていないからです。
大学の教授は高校までと違って、教師ではなく研究者です。
教える専門ではないですからね。
ですので、今やっている専門分野がどのように利用されたり、これからどのように使っていくのかを知ることさえできれば、授業は面白いものになります。(今更になって気づいた)
テーマを決める
B4に対しては担当教授がテーマを与えてくれると思います。
僕の場合は研究室でやっているテーマがあったのでそれに沿ってやっていくことを決めました。
ここで重要なのがテーマはあくまでも骨格でしかありません。
なので、内容は自分で決めなければなりません。
ここでは、担当教授に質問をたくさんすることをお勧めします。
- 何がゴールなのか
- どのように研究を進めればいいのか?
- 新規性はどのようなものか?
例えばこんな感じです。
私の場合は、担当教授がとても親切で気にかけてくれたので、テーマに沿って研究を始めて立ち止まるごとに質問していました。
自分の何倍も知識と経験を持った方なので、質問をして交流を深めていけば、適切なアドバイスをもらえます。
効率的に研究を進めるには教授と多くの議論を交わすことは絶対に必要です。
論文の読み方
研究を始めるにあたって関連する情報を取得することから始めます。最初に自分のテーマに近い分野で研究をしていた先輩の論文を読むことになります。
最初は読めますが、専門的な知識がないと読むことが難しいところがあると思います。その時はもちろん自分で調べます。
それでもわからない場合は早い段階M1、M2の先輩に聞くべきです。早めに質問すれば問題も早期に解決できる場合が多くありますし、信頼も深めることができます。
積極的な交流は、自分のやる気をアピールする場にもなり、好印象を与えることにもつながるので、先輩との交流機会を増やすことはお勧めします。
もちろん自分では先に調べてくださいね。
研究は圧倒的なサーベイ(研究に関する調査)に基づいたものです。論文は読むだけでなんとなく概要はわかってくると思います。しかし、一本読むのには膨大な時間がかかります。
しかし、読み方を工夫すればとても効率的に作業を進めることができるのでおススメしています。
読んだ後は、簡単にまとめることを推奨します。
落合陽一さんのフォーマットがとても便利ですのでこれに倣って読んでみてまとめてみて下さい。
これはスライドの65枚目の論文まとめ用のフォーマットです。
このまとめ方をすると、自分の研究に関する内容を抽出できまとめることができます。
まとめる利点としては
論文の重要な点と、読者の意識する点が一致するわけではないからです。
そのため、自分用に論文をまとめておくと再び参考にする際に素早く自分の研究に利用することのできるポイントを見つけることができるため便利です。
また、著者の研究の自分のテーマに関することでまとめるので、自分の研究に対してどのような利用価値があるかもまとめ目的を明確にしたまま読むことができます。
論文の調べ方
先輩方の論文を一通り読んだ後に、もう少しこのことについて調べたいなと思ったときの論文の調べ方です。
ググれ
もちろんググることも必要となります。
調べるために見る場所はもともと読んでいた論文の参考文献の欄です。
参考文献にはもともとの論文の著者が参考にした論文が載っているわけですから、関連情報の宝庫となっています。
海外文献の場合も多々あると思いますが、海外文献も日本語の論文と書き方はほとんど変わらないので、自分の知りたい技術や実験データは見るところさえ分かっていればすぐに調べることができます。
学術論文は工学系から科学系など分野絞らず、多くの流れは一定のフォーマットに沿って作られているので、ぜひ流れだけは知っていてほしい。
私も参考にした記事ですので、参考にしたらいいと思います。
新規性に悩む
私はこれに関して非常に悩みました。
研究の新規性は?
ぶっちゃけ言うとB4にそこまで研究の新規性は求められません。
だってB4だもん。
もちろん、できる人はガンガン進めてもらったらいいと思いますが、もう少し気楽に考えてください。
企業の製品の動画等をみると、この製品でいろいろなことができます。すごいでしょ!
とアピールしてきます。
それで僕は沼にはまりました。
ぼくが陥った例としては
me:この企業がこんなロボット作ってる!俺も似たようなロボットを作ろう!
教授:それぱくりやん
me:じゃあ、ちょっとここを変えます
教授:特許とかあるしむりぽ
me:しにたい
というように
目的に対して企業の動画や論文を参考にするとどうしても、その論文によりがちになります。
じゃあどうすればいいか
新規性に関しては
既存のものの問題点を洗い出してそれを解決する。
という方向性が一番簡単です。
論文では考察やこれからの展望で、これからやるべき課題が書いてあるのでわかりやすいと思います。
企業、大学の製品、研究紹介の動画は当たり前ですがいいところしか見せていません。
失敗例に関しての言及はあまりされていないところが実情です。
論文を読む際の注意点なんですが、僕は機構系の研究をしていてその分野だけの論文を読めばいいや!と思っていました。
新しい機構を作らねば新規性なんてないじゃんと躍起になっていたからです。
結局失敗でしたね。
機構系の論文だけでなく、既存の製品の問題点を洗い出した論文があります。評価検証系の論文のことです。
そこには、今ある製品やその分野の問題点が書いてあります。
実際にその分野を読むことによって自分の研究は進みました。
このことから言えるのは、機構を作るために機構の論文を読みまくる!ではなく
問題点をしっかりと洗い出して、それに解決するための機構や方法を考えるという順序が必要なってきます。
つまり、ぼくは問題点の整理ができていなかったことが失敗の原因でした。
問題点をはっきりさせてそれに対する解決策を研究するという形でやっていくと、やりやすいです。
試験・実験・設計・製作の進め方
基本的には前に決めたテーマをもとに最終的な目標が決まります。
それを実行するためにはとにかくやるではなくやる前にしなければならないことがあります。
仮説を立てる。
これがとても重要です。
目的に対しての解決方法を考えます。
それで大丈夫なのか?
例えば既存のロボットがでかい!
小さくしたら色々使えそうだ。使用者に対して負担が軽減できると考え、研究を始めようとします。
しかし全部のパーツを単に小さくすればいい。
というわけではありません。
小さくしたら強度的には大丈夫なのか?
といった問題が出てきます。
元々の研究していた人たちだって大きくしたしたくてしたわけではないと思います。もしかしたらその理由があるかもしれません。
そのことを踏まえつつ、仮説を立てる。
そのうえで実験制作を行い、検証を行います。
仮説を立てたときの僕:「このような結果になると思うけどどうや?」
検証した後の僕:「これはうまくいったけど、こんな問題出たぞよ」
という風に、仮説に基づくデータを取ることができます。
問題が出た場合はその理由を考え直して、修正し、新たな仮説を立てることで研究が進んでいきます。
仮説→検証→検証に基づく修正を施した仮説を立てる
基本はこのサイクルの繰り返しです。
ミーティング等の発表の場の資料の作り方
自分が何をやったのかを報告する場である。
やりがちなのが何をやったかをつらつら書く。
- ~作りました。
- ~を行いました。
- ~の論文を読みました。わかったことは~
これはOUT
何をやったか書くことは書くんですが、
- なぜそれを作ったのか。
- なぜそれを行ったのか。
- なぜその論文を調べたのか。
が重要になってきます。
ものを作る際ににもなぜこの大きさを採用したのか?
なぜこのギアにしたのか?など行動を起こした理由はちゃんとあるはずです。
なんとなく行っていたということもあります。
それは、前の研究でこのように行っていたから~
などの理由になります。
その場合は、なぜその従来の研究ではそれを行ったのかを知っておく必要があります。
行動には裏付けが必要です。
行動を常に意識的に行えるようになったらベストです。
まとめ
研究を進めていく上では人との議論は必ず必要になるので先輩方、教授とは仲良くしていきましょう。
また調べたことに関しては紹介したフォーマットなどでまとめると、自分だけのデータベースが出来上がっていくのでぜひ実践してみてください。
また、問題点もしっかり洗い出して自分の研究の方向性をしっかりと定めてください。
- 論文の読み方
- 論文の調べ方
- 研究の進め方
についても僕がやっていることを共有したいと思い書きました。
参考にしてみてください。
それでは、ばいちゃ。